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【2028年義務化】全企業でストレスチェック必須。私たちの働き方はどう変わる?

法令情報

これまで大企業や中堅企業に限られていた「ストレスチェック」が、町工場や街の飲食店といった従業員数50人未満の小規模な事業所にも義務付けられることになりました。2025年の労働安全衛生法改正により決定し、遅くとも2028年5月までには全国のすべての職場で実施されることになります。「自分は小さな会社だから関係ない」と思っていた方にとって、このニュースは働き方に直結する重要な変化です。なぜ今、国は全企業を対象にしたのか。そして、私たちの毎日の仕事や人間関係、さらには社会全体にどのような影響をもたらすのか、その本質と背景を分かりやすく解説します。


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50人未満の企業もついに義務化へ。2025年の法改正とストレスチェック拡大の全貌

これまでストレスチェックは、常時50人以上の労働者を雇用する事業所にのみ実施が義務付けられていました。50人未満の小さな会社や店舗ではあくまで「努力義務」にとどまっていたため、実施している企業はごく一部に限られていたのが実情です。しかし、2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、このルールが大きく変わりました。遅くとも2028年5月までには、従業員数にかかわらず、すべての事業所で年1回のストレスチェックを実施することが法律で義務付けられます。

対象となる働き方

正社員だけでなく、契約社員やパート、アルバイトであっても「契約期間が1年以上(見込み含む)」かつ「週の労働時間が正社員の4分の3以上」であれば、すべて対象となります。つまり、雇用形態にかかわらず、一定の時間をその職場で働く人ほぼ全員がメンタルヘルスの状況を定期的に確認できる仕組みが整うということです。

企業側の対応と従業員の権利

企業にはストレスチェックを実施する義務が生じますが、従業員側には「必ず受けなければならない」という受検の義務はありません。また、結果は外部の機関などから直接本人に通知され、本人の同意なしに会社へ結果が共有されることは法律で固く禁じられています。

厚生労働省も2026年2月に小規模事業場向けのマニュアルを公表し、産業医がいないような小さな会社でも円滑に制度を導入できるよう支援を始めています。


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コスト増か健康管理か。小規模企業への一律義務化に対する世間やメディアの懸念

この全事業所への義務化方針に対し、世間や主要メディアの反応は大きく二つに分かれています。

一つは、働く人々のメンタルヘルス不調を未然に防ぐセーフティネットが拡大することへの歓迎の声です。

日本の労働環境において、うつ病などの精神疾患で休職や退職を余儀なくされる人は後を絶ちません。小さな組織ほど人間関係が濃密になりやすく、一度関係がこじれると逃げ場がなくなるため、外部の仕組みを使って客観的にストレス度合いを測れる制度は、働く側にとって大きなメリットだと捉えられています。

一方で、経営者側、特に中小企業や小規模事業者からは戸惑いや懸念の声も多く上がっています。

「ただでさえ人手不足と物価高で経営が苦しいのに、外部機関に委託する費用や手間が増えるのは死活問題だ」という意見が代表的です。また、50人以上の企業ですら「ただアンケートに答えるだけで、実際の職場改善にはつながっていない」という形骸化が指摘されることも少なくありません。「無理に導入しても書類上の手続きが増えるだけで、本質的なメンタルヘルス対策にはならないのではないか」といった懐疑的な見方が、メディアの報道でも頻繁に取り上げられています。


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単なる義務ではない。人材獲得競争を勝ち抜くための「健康経営」という投資

一般的な報道では、この義務化を「国が企業に課した新たな負担」として捉える向きが強いです。しかし、少し視点を変えると、これは日本の労働市場全体の構造を変える「強烈なカンフル剤」であるという本質が見えてきます。最大のポイントは、ストレスチェックが単なる健康調査の枠を超え、企業の「採用力」と「存続」を左右するリトマス試験紙になるということです。

現在、日本は歴史的な労働力不足に直面しており、大手企業から小さな町工場に至るまで、いかに人を確保して定着させるかが最大の経営課題となっています。これからの時代、求職者は「その会社が従業員を大切にしているか」を非常にシビアに見極めます。ストレスチェックの実施が全企業で当たり前になれば、「制度をただ形だけこなしている企業」と、「結果を真摯に受け止め、労働環境の改善に活かしている企業」の差が極めて明確になります。

小さな組織だからこそ、経営トップが従業員のメンタルヘルスに寄り添い、風通しの良い職場を作ることができれば、それは大企業以上の強力なアピールポイントになります。

逆に言えば、こうした社員の心身のケアを「無駄なコスト」と切り捨てる企業は、今後ますます人を採用できず、結果として市場から淘汰されていく運命にあるのです。


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まとめ

今回解説した独自の洞察からも分かるように、2028年に向けたストレスチェックの全事業所義務化は、単なる法規制の強化にとどまりません。企業にとっては、従業員の心身の健康への投資(いわゆる健康経営)が、生き残るための「絶対条件」になる時代への転換点となります。私たち働く側にとっては、自分の精神的な疲労度を客観的に把握する機会が保証され、不調になる前にSOSを出せるセーフティネットが身近になります。それと同時に、「会社が自分の健康にどう向き合ってくれるか」という姿勢を測る明確な指標を手にすることになります。

今後、仕事探しや職場選びにおいて、「ストレスチェックの結果をどう職場環境の改善に活かしているか」を面接で確認することが、ごく当たり前の風景になるでしょう。この法改正は、働くすべての人にとって、自分自身の心を守り、より良い環境を選ぶための強力な武器になると言えます。


参考文献・出典元

厚生労働省・「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」を公表します

「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」を公表します
「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」を公表します

厚生労働省・ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策

ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策
ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策について紹介しています。

東京労働局・ストレスチェック制度について

ストレスチェック制度について
ストレスチェック制度について 東京労働局

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