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VT、VTI以外の米国ETFの組み合わせ方

米国株投資
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米国ETFの組み合わせ方

はじめに

現在、日本の米国投資家で大人気の米国ETFはVTVTIVOOですね。VTIやVOOはともかくVTの方はアメリカ本国ではそれほど人気がありませんが、日本では大人気です。

今回は、米国ETFの組み合わせ方について私の考え方を書いてみたいと思います。
なお、私は「バンガード」社が好きなので全て「バンガード」のETFをとりあげますが、別に「ブラックロック」や「ステート・ストリート」の商品でもよいと思います。今回は、インデックスに連動するETFのお話で長期投資を前提にすればほとんど差がないと思われますので、自分が好きな物を選べばよいと思います。

分散と集中について

本題に入る前に少し書いておきたいことがあります。投資の基本原則は「長期・分散・積立」といわれますが、これはリスクをできる限り減らしリターンを得ようという考え方です。

この中の「分散」というのはリスクを減らしますが、当然のことながらリターンも減らします。例えば、今流行の株価が急騰した「テスラ(NASDAQ: TSLA)」に全ての資金をつぎ込んだ場合とその他に10個、20個に分散して投資をした場合とでは、当然、前者の方がリターンは大きいです。10個に分散するとテスラの急騰の効果が10分の1になってしまうからですね。

その代わり、「テスラ」株が大暴落したときは、前者はその影響をもろに受けてしまいますが、後者は10分の1しか影響を受けません。

このように、分散をすればするほどリスクは下がり、リターンは減るということになります。リスクをとったものが高いリターンを得られるというこの原則をもとに自分にとってどれくらいリスクを分散すればよいのかを考えるのが、ここでのETFの組み合わせ方で考える議題となります。

全世界とアメリカに投資する

ティッカー 投資対象
VT 全世界
VTI アメリカ市場全体
VOO S&P500
VEA 先進国市場(除く米国)

VT(全世界)

「VT」は一番分散されたETFですね。これ1本に絞る個人投資家さんもいますが、個人的に「あり」だと思います。ガチガチに守りを固めるという戦法です。ただ、いろいろとみているとちょっと改善した方がいいなと思う戦略の人もいます。

例えば、「VT」を積み立てている人で「リスク分散」のために他のアメリカ市場を対象とするETFも買っている人とかです。「VT」は全世界といいますけど半分はアメリカ株です。これに他のアメリカ株、例えば、「VTI」や「VOO」(100%アメリカ株)を組み込むと「自分が一体どれくらいアメリカ市場に投資しているのか」が把握しづらくなります。自分が分かっていて投資をしている人はいいんですけど「分散のために何となく別の物も買うか」という人は目的達成のためにはあまりよい選択でない気がします。 

地域を分散したい、また、他の米国市場のETFも買いたいというのであれば、「VT」ではなく、アメリカ株を除いた「VEA」と他の「VTI」や「VOO」を組み入れた方が、自分がどれくらい地域を分散しているのかが分かりよいのではないかと考えています。アメリカ本家の個人投資家から「VT」があまり人気がないのはこういう点が関係しているんじゃないかなと私は考えています。

また、この「VT」1本という戦略は、20代とかの若い世代の人で「長期」の具体的期間が比較的長い人に向いていると思います。いろいろな事情で「長期」といってもあまり時間がない人などは「アメリカ」か「その他の先進国」かどちらかに絞った方が当然リターンは高くなります。

なお、日本の投資信託では「楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)」が有名ですね。
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 投資信託 | 楽天証券

VTI(アメリカ市場)とVOO(S&P500)

VTIとVOOはアメリカ市場のETFとしては鉄板ですね。特にVOOはアメリカ株の中で選ばれたエリート中のエリートである「S&P500」に選ばれたものに投資しており、このS&P500はインデックスとして世界で最も有名で影響力があるものの一つなわけですから、鉄板というか基本です。単純に考えれば、アメリカ市場に上場している3000株くらいの株式全てに投資するより、その中で選ばれた500株に投資する方がパフォーマンスがよい気がしますが、日本人はなぜかVTIが好きです。

「他の国よりアメリカ市場が成長することは信じており、アメリカ株1本でいくけど、そうするとやはり少々不安だ。せめてアメリカ市場の中でより広く分散したい。」と考えている人が多いということなのでしょうか。

私としては、VTは「アメリカ市場全体」なのでちょっと広すぎて組み合わせしづらいと考えていますがどうなんでしょうかね。

なお、日本の投資信託では、「VTI」に関し、「楽天・バンガード・ファンド(全米株式)」が
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 投資信託 | 楽天証券

「VOO」に関し、「SBI・バンガード・S&P500」「eMAXIS Slim 米国株式」が有名ですね。
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド|SBI証券
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 三菱UFJ国際投信

セクターごとのETFに投資する

ティッカー 投資対象
VGT 米国情報技術セクター 
VHT 米国ヘルスケアセクター
VFH 米国金融セクター 
VDC 米国生活必需品セクター
VPU 米国公益事業セクター
VIS 米国資本財サービスセクター
VDE 米国エネルギーセクター
VCR 米国一般消費財サービス セクター
VOX 米国通信サービスセクター 
VAW 米国素材セクター

アメリカのセクター(業種ごとのグループ)はGIGS分類で11種類ありますが、ヴァンガードは不動産セクターを除いており、全てで10種類となります。

セクターごとに投資ができるのであればいろいろと考えられますね。攻めの分野を入れたり、他のETFで攻めているからパフォーマンスは悪いけど守りのETFを入れるとか、非常に楽しいです。

ただ、10種類あるといっても、今をときめく情報技術セクターである「VGT」とヘルスケアセクターの「VHT」くらいしか組み入れている人は見かけませんけど。

なお、日本の投資信託ではこれらを基準としているもので有名なものを知りません。たぶんちょっとマニアックだからでしょうか。逆に、だからこそ、日本では「VT」「VTI」「VOO」の3種類が人気なのかもしれませんね。

グロース株(成長株)や高配当株に投資する

ティッカー 投資対象
VONG 米国グロース株
VUG 大型グロース株
VYM 高配当株

セクターごとではなく、全体を見て「グロース株(成長株)」に投資したい場合は、「VONG」や「VUG」が視野に入ってきます。ちょっと前までは「バリュー株(割安株)」がよいパフォーマンスを上げていましたが、これほど米国市場が成長すると今は「グロース株」の時代ですね。ただ、これからもグロース株の時代が続くとは限りませんので、その点を踏まえて組み入れるとよいと思います。また、「VONG」と「VUG」はそんなに構成銘柄に差がないように思えます。もちろん、大きなところをいえばあるんですが、他のETFみたいと比べそこまで差があるようには思えません。長期保有するのであればお好きな方でよいのではないでしょうか。

また、高配当株ETFとして有名な「VYM」もここで紹介しておきたいと思います。これは成長性はイマイチですが(キャピタルゲインは他のETFに劣る)、配当がたくさん入ってきます。配当を継続的に得ていくことを狙っていくのであれば組み込むことも考えられますが、投下資本が小さいと本当に雀の涙なので、資金がない人にとっては配当がそれなりになるまで育つには時間がかかりそうです。

もっと尖りたいんだ!

もっとリスクを多くとってハイリターンを狙いたいという人は、ヴァンガードではないですが、「QQQ(Invesco)」や「FNGS(BMO)」などがあります。

「QQQ」は、ナスダック100に連動するもので、「アメリカ市場の成長はナスダックにかかっている。最近のナスダックの大暴騰を見てみろ。私はナスダックにかける」と考える人には一考の価値がありますが、非常にボラティリティが高く、波がすごいです。また、比較的PERが高い会社が多いので金利が上がると大幅に下がるリスクもあります。ただ、今のパフォーマンスはすごいの一言です。

「FNGS」はFANG+インデックスに連動するものです。 Facebook, Apple, Amazon, Netflix, and Alphabet’s Googleとそれと取引する企業を対象とします。「QQQ」よりさらに絞りをかけてきていますね。「アメリカの成長はFANGだ。他は低成長である。S&P500というがS&P500の株価を引き上げているのはたった5社だ。その5社を除いたS&P495は日本経済より成長していないじゃないか」と考える人はこういうのもよいかと思います。

これらETFと近いものを日本の投資会社も作っていて、大和アセットマネジメントさんが以下の商品を販売しています。

iFreeNEXT NASDAQ100インデックス/ 大和アセットマネジメント株式会社
iFreeNEXT FANG+インデックス/ 大和アセットマネジメント株式会社

大和アセットマネジメントさんの攻めの姿勢、嫌いじゃないです。

ただ、これに投資するとしても全額それに投資するのはナンセンスで、その割合は低く抑えないといけませんし、長期投資というより短期決戦のような気がします。

次の時代はインドとヴェトナムだ!

これに対して、「米国市場は成長していくのだけれども、今後何十年かはインドとヴェトナムが来る!」という人には、ヴァンガードではないですけど「GLIN(インド)」や「VNM(ベトナム)」なんかを組み込むと面白いのかもしれませんね。

 

今回は以上です。
参考になれば幸いです。

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