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大手資産運用会社バンガードの日本市場からの撤退

ニュース
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バンガードの日本からの撤退

非常にショッキングなニュースが流れてきました。あのバンガードが日本の事業から撤退するというニュースです。(2020/08/27)

報道

米バンガード、日本と香港から撤退へ 中国本土に重点
米資産運用会社バンガード・グループは26日、日本と香港から撤退すると発表した。香港上場投資信託(ETF)の取り扱いも中止する。

米資産運用会社バンガード・グループは26日、日本と香港から撤退すると発表した。香港上場投資信託(ETF)の取り扱いも中止する。

バンガードの投資家向けにニュースレターを手掛けるダニエル・ウィーナー氏は、上海への拠点移動は中国政府の支持を得られるだろうとした上で「中国にとっても企業が本土で営業する方が好ましい」と述べた。

公式

バンガード-長期・分散・低コスト- 当社の営業活動終了のお知らせ

平素より、バンガードおよびバンガードの商品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

この度、日本拠点での営業活動を段階的に終了し、日本支社である当社を閉鎖することを決定致しましたので、ここにお知らせ致します。バンガードは、投資家の皆さまに低コストで良質な商品と最良の投資機会をご提供するべく、かねてより国際事業部門のビジネス戦略および拠点の見直しを行ってまいりました。その結果、今回、この困難な決定を下し、本日発表する運びとなりました。

また、バンガードETF®および日本のビジネスパートナーとの共同ブランドファンドの投資対象商品は、現在と変わりなく、引き続きバンガードの海外拠点にて運用を行ってまいりますので、ご安心頂ければと存じます。(但し、香港上場ETFは今後変更の可能性がございます。今後の取扱いについては、こちらの香港証券取引所のお知らせをご参考ください)

このような急なお知らせとなりましたこと、また今回の決定がビジネス上必要となったことを深くお詫び申し上げますとともに、ご理解賜りますようお願い申し上げます。なお、当社のウェブサイト、Twitter、ニュースレターに関しましては、今後数カ月間をかけて、段階的に閉鎖する予定となっております。

これまで、20年という長い期間、バンガード・インベストメンツ・ジャパンをご愛顧賜りましたことを、心より感謝申し上げます。今後も引き続き、バンガード・グループをどうぞよろしくお願い致します。

バンガードとは

バンガードとは、世界で初めて個人投資家向けのインデックス・ファンドを販売した会社であり、日本でも、バンガードの米国ETF商品、例えばVT、VTI、VOO、VGT、 VYMなど非常に有名で人気があります。また、アメリカ株クラスタでなくとも、日本の投資信託でもバンガードの商品を利用したものも多く、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」などを通じて興味を持っている人も多いことかと思います。

最近では、経済におけるコロナショックが顕在化した「2020年3月13日」にいち早く、声明を出し、その内容が非常にすばらしく、バンガードらしいということで注目を浴びました。

バンガードCEOからのメッセージ:新型コロナウイルス感染症に関して

バンガード日本撤退の理由に関する私見

ここでなぜバンガードが撤退したのかを考えると、私は徹底した費用削減にあるのではないかと考えます。そもそも、インデックス投資においては「信託報酬」が安く、そのため日本でも世界でも人気が出ています。インデックス投資を投資の神様であり世界の長者番付上位常連のウォーレン・バフェット氏も絶賛し、妻に「自分の死後は、資金の90%をS&P500に投資せよ」といった話もあるくらい、現在は非常にインデックス投資が盛んです。

このようなインデックス投資の「信託報酬」の価格競争において、インデックス投資の雄であるバンガードは常に先陣を切ってきたわけですが、このことは突き詰めれば「投資運用会社は何で儲けるのか」という問題に突き当たります。

つまり、金融業界では、現在、価格破壊が起こっており、重要な収入源であった売買手数料を無料化したり、信託報酬を無料化したりするなどし、その代わりに、その他で利益を確保する、例えば自己のプラットフォームに誘引するためとか、対面での金融アドバイス(コーチング)に重点を置くなど、今までとは異なった収益の上げ方、パラダイムシフトが起こってきています。

その意味で、日本支社を置くことのコストや戦略が合わなくなったのだろうと思われます。香港市場からの撤退は例の「香港国家安全維持法」が主たる原因でしょうけど、日本と同時期ということは、ともに同じくコストの問題だったような気がします。

日本では、若い世代を中心に投資の機運が高まっていますが、いまだ預貯金中心であり、将来においてもインデックス投資における潜在的ニーズが少ないと判断されたのかもしれません。

バンガード日本撤退の影響

バンガードが提供する投資信託について

次に心配なのは現在ある投資信託がどうなるかですが、この点は、公式のアナウンスメントを見る限り、従来通りのようです。

バンガードETF®および日本のビジネスパートナーとの共同ブランドファンドの投資対象商品は、現在と変わりなく、引き続きバンガードの海外拠点にて運用を行ってまいります

ただ、日本支社がなくなることで日本の証券会社と緊密にコミュニケーションがとりにくくなり、新たな商品開発に少なからず影響が出てくるのかもしれません。

VTなどの米国ETFについて

米国で販売しているETFについては、日本の証券会社が従来通りバンガードの商品を扱うかぎり、何の影響も無いと思われます。特に今はアメリカ株が人気ですから日本の証券会社もこれを外すようなことは考えにくいと思われます。

ただ、公式のアナウンスメントにあるように日本のウェブページは閉鎖するようですから、例えば、下のような本家の商品紹介などは今後は見られなくなり、「404 not found」となるのでしょうね。

バンガード・インベストメンツ・ジャパン – 商品案内 – バンガードETF VOO

本家で見ればいいんでしょうけど、日本語で読めるページがなくなるというのは寂しいものです。

さいごに

このニュースは非常にショッキングで悲しいニュースですけど、日本人の投資意識が高まり、またバンガードが再上陸してくれるよう願っています。

このブログもその一助となればと考えています。

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