お金を増やす方程式とは
資本主義経済で生活しているかぎり、今も昔も地域を問わずお金を増やす方程式は変わりません。そしてそれは非常に単純なものです。
資産形成=(収入ー支出)+(資産×運用利回り)
これは非常に有名ですから知っている人も多いかと思いますが、重要なことはそれを意識して資産形成をしているかどうかであると私は考えています。
今回はこの点について考えてみたいと思います。
この方程式の意味
資産形成=(収入ー支出)+(資産×運用利回り)
この方程式の意味は、その式からも分かるように、資産を形成するためには、「➀収入を増やし」、「②支出を抑え」、「③資産を高い利回りで運用する」ことが重要だと分かります。
この式は何も難しいことではなく、左辺を最大化しようとしたら、プラスの部分を増やし、マイナスの部分を減らせばいいだけであって、四則演算を知っていれば小学生でも分かります。
そもそもこれをわざわざ式にするまでもなく誰もが直感的に分かっていることですけど、それを意識している人が多いかというとそうでもない気がします。
お金持ちになる3つの要素
実は、お金持ちになることについて書かれた書籍やネットの情報は大きく分けて3つに分類できます。3つに分けられるのはこの方程式に則り資産を増やす方法は3種類しかないからです。
一つ目は、「収入を増やす方法」です。「出世する方法」や「副業で稼ぐ方法」などなどいろいろありますが、これらの根幹はいかに収入を増やすことにあります。
二つ目は、「支出を減らす方法」です。巷に溢れかえっている「○○節約術」とか「○○代の削減方法」とかですね。「税金を少なくする方法」とかもこれに当たります。
三つ目は、「投資」ですね。このブログもそうですし、いわゆる投資本は非常に多く出回っています。資本主義経済においてはここが肝となります。
ちょっと前に流行ったトマ・ピケティ氏『21世紀の資本』に出てきた、r>g(「r」は資本収益率、「g」は経済成長率)という不等式が話題になりました。これも直感で分かることでありわざわざ式にするほどでもありませんが、この式は「資産運用により得られる富は、労働によって得られる富よりも成長が早い」ということを示しており、資本主義経済においては、労働で得られた収入を投資に回す方が資産形成においては合理的であるということを示しています。よって、基本的には、収入を増やしそれを投資に回し資産を形成していくというのがお金持ちになる王道だといえます。
本を読んだり、ネットを見たりする際にはこれらの3つの要素のどれに当たるのかを意識しながら読むとまた別の世界が見えてくると思います。
そして、これらを簡単に図にまとめたのが下図です。
では、その内容についてちょっとだけ詳しく見ていきます。
お金持ちになるための3つの要素の分析
➀収入
まずは、収入です。収入というのは「生活をしていく上で原資となるもの」であるという面がありますが、もう一つの要素として「投資の原資となるもの」という面もあります。
投資においては、資本が多ければ多いほど有利になります。残念ながら生まれに左右され資産家ほど有利なゲームです。しかし、泣き言を言っていても何も変わらないわけですから、まずはゲームに勝つために収入を増やしできる限り資本となる原資を集める必要があります。
②支出
いくら高収入であっても支出が多ければ、資産は増えていきませんし、投資に回るお金もありません。なので、まずはこの無駄な支出を減らすことが重要です。そのためには、地味で面倒な「家計簿」をつける必要があります。家計簿とは会社でいえば経理の役割で会社の存続には不可欠です。お金持ちになるためには家計簿をつけないという選択肢はありません。
なぜ、家計簿をつけるのかというと、それはもちろん、➀支出の現状を把握し、②無駄な支出を減らし(コスト削減)、③そしてそれを資産に回すためです。
高収入の方で家計が破綻しているのは往々にして自分が収入に対してどれだけ支出しているかを把握していないからです。貧乏人であろうがお金持ちであろうが支出の現状を把握しなければならないのは同じです。逆に、支出を把握していればどれだけ収入が必要なのかも分かります。
かといって、「では、爪に火をともす生活をずっと送ればいいのか」と極端に振れるのも私はどうかと思います。無駄遣いはするべきではないと考えますが、お金を貯めることが人生ではありません。人生を楽しむことが目的です。人生を豊かにするために必要な支出というのもあるかと思います。
重要なのは、収入に応じて支出を考え、投資に回すお金を切り分けた後、自分の人生において(自らの価値観において)重要なものにお金を使えているかどうかであると考えています。これを見つめ直すためにも家計簿をつけなければならないのです。少し大げさですが、家計簿というのは豊かな人生を送れているかどうかの通信簿だと私は思っています。
なお、私は、支出をする際には、Value for Money(バリュー・フォー・マネー、「金額に見合った価値」)を意識しています。これが乖離しているものにはお金を払いません。それも、「支出というのはその人の価値観の反映である」と考えているからです。
③投資
これについては本ブログに書いていきますので割愛します。
ただ、大きな枠で一ついうと、投資で得た利益を➀再投資するか、②支出するか(使ってしまうか)は一つの大きなテーマだと考えています。もちろん、資産が人並みになり人生が終盤に近づいたときは②の支出をすべきであると考えますが、その過程では、➀再投資する方が複利の力も働きますし、資産が増える量もスピードも上がります。
先ほど述べたことと重複しますが、しかし、だからといって、若いときにお金を使わないことが人生において本当に有益なのかについては悩ましい一つの大きなテーマだと考えています。
よって、上図においては、投資から支出への矢印をつけています。この点については今後書いていきたいと考えています。
年金生活の意味
この式を見ると、年金生活の意味がより分かります。つまり、「収入がゼロあるいは激減するのに対し、支出はそれと同じように減らない」ということです。これでは、この式が破綻してしまいます。この式が破綻しないようにするためには、それまでに投資で資産を増やしておく必要があるということです。
そして、この式が分かっていれば、老後の資金にどれだけ必要なのかも分かります。
資産形成の「式」を意識して生活していこう
最後に、私が一番言いたかったことは、何も考えずに人生を過ごしていくのではなく、この式が上手く回るように意識して人生設計を立てるべきではないかということです。
➀自分の時間、家族の時間を減らしてどれだけ労働すべきか(収入を得るべきか)、②どれくらいの支出をしてよいのか、③どれだけ投資すればよいのか
それらを自分が置かれている環境(自分や家族の年齢や家族構成、自分の価値観)を踏まえて、常に考え修正していくことが、よりよい人生を送るための重要な秘訣ではないでしょうか。私はそう考えています。
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