投資方法の役割と組み合わせを考える
前回の続きです。
自分の中の投資方法の軸を考える
投資できる対象というのはものすごく数があり、また、その投資方法というのも千差万別で、投資家の数だけ投資方法があります。
そこでその参考となればと思い、その一つの例を考えてみたいと思います。
例としてメジャーどころを元に上図のようなものを考えてみました。これをすべて行う必要はありませんし、人によっては「投資信託一本でいく」「米国株投資一本でいく」という人も大勢います。どれが正しいかなんて誰にも分かりませんし、置かれている環境によってもベストの方法というのは異なってくると思います。ここでは私の考え方について書いてみたいと思います。
一つ目の軸(時間軸による分類)
私は、⑴老後資金や子どもに残す資産と、⑵自分の人生で使う資産とに分けて考えています。
⑴の資産は、長期投資が基本で、コツコツと毎月積み立てます。途中で売買はせず、ずっと持ち続けます。配当があったとしても再投資です。上図でいうと、円建てでいうと「投資信託」、米国株でいうと「米国ETF」です。これは一度設定したらほとんど見直しをせず、ひたすらドルコスト平均法で自動的に積み立てます。
※気づいた人も多いでしょうが「円建て」という表現から分かるように、日本株の分類に入っているようで、実は中身はアメリカ市場のインデックス投資です。本当は日本株とアメリカ株と分散した方がよいのでしょうけど、残念ながらアメリカ市場のインデックス投資の方がよいパフォーマンスが出ると考えていますのでこうなっています。
⑵の資産は、➀短期・中期の株売買で利益を上げるもの(割安株投資・成長株投資)と、②長期ではありますが株売買ではなく配当で利益を上げるもの(高配当株投資・不動産投資)とに分けています。
➀の割安株投資・成長株投資は株の売却益を狙い、利益を上げるために行っています。なぜこのような投資をするのかというと、基本的には⑴の長期投資にお金を少しでも回したいのですが、労働所得では限界があり、いわゆる「入金力」が弱いからです。⑴の長期投資はアメリカ市場とドルコスト平均法を盲信することができるのであれば、ここでは入れることができる資金の額が勝負です。というか、それがすべてです。ひたすら積み立てれば積み立てるほど何十年後にはものすごいリターンが返ってくるからです。また、純粋に個人的に株式投資は面白いからというのもあります。
②の高配当株投資と不動産投資を行う理由は、これも配当や賃料で労働収入を上げるためですが、基本的にこれは人生を豊かにするための費用として使います。とはいっても、これは最初のうちは微々たるものです。
この記事でも書きましたが、月々1万円余分にもらえるようになるためには、300万円くらい投資しなくてはなりません。月々3万円もらうためには900万円です。非常に厳しい内容ですね。
とはいっても、月々1万円でも3万円でも余分にもらえるようになれば生活は大きく変わります。また、それが何もしなくても自動的には行ってくるというのは非常に大きいと思います。
それをさらに突き詰めて、FIRE生活を送るというのも考え方の一つとして生き方としては非常にすばらしいと思っています。
二つ目の軸(市場による分類)
もうすでに書いてしまっているのですが、投資の大原則である「長期・積立・分散」の「分散」として、市場を日本市場とアメリカ市場との2つに分けています。
ここにEU市場や中国市場、新興国市場、アジア市場、アフリカ市場などともっと分けることもできますが、私はその考え方には否定的です。その理由は、個人が投資するに当たってそのような数の市場をリサーチすることは非常に困難であること、その国のローカル言語(あっても英語)での情報収集には困難がつきまとうこと、アメリカ市場と日本市場で十分であることからです。
逆に、この二つに絞っている(この二つを選んでいる)理由は、世界の市場の大部分を占めているのがアメリカ市場であるため(またなじみのある企業が多いこと)と、私たちは日本語に非常に堪能で日本市場の情報に最も優位にアクセスできる立場にあること、読み手の多くは生活拠点が日本であり、日本の税制の影響を強く受けることからです。
三つ目の軸(通貨による分類)
これも既に書いてしまっているのですが、投資先の通貨は「円」と「ドル」です。これも「分散」の意味があります。
アメリカ株に投資する際もドル建てで、預金する(MMF債・国債や社債を購入する)のもドル建てです。つまり、資産の通貨の一部はドルで持つということです。
理由はいくつかありますが、主だったものとしては以下の通りです。
- 絶対的に安全と思われていた東京電力に資産を全額投資して震災後一気にそれが吹き飛んだことが話題になったが、それを自業自得、正気の沙汰じゃないと思うのであれば、「円」という資産に全額資産を投資するのもまた同様であること
- 未来のことは誰にも分からないが、私たちが生きている近い将来の範囲であれば、「ドル」は基軸通貨であり続けるであろうこと(他の通貨よりそのことが信用できるであろうこと)
- 「円」も信頼性があり近い将来ジンバブエドルのような紙くずになる可能性はかなり低いが、他方、かなりの確率で起きるであろう、その将来に円の価値が下がり物価がインフレするのであれば、額面は同じであっても資産は目減りしてしまうこと
- 生活圏が日本であり日本円で生活していたとしても、円の価値が下がり「円安」となるのであれば、「ドル」を持っていた方が円で生活するとしても換金の際に「円安ドル高」となり有利と考えられること
なお、私はゴールドと仮想通貨にも興味を持っています。それは単純な個人的趣味からくる面も否定はできないのですけれど、「ドル」や「円」などの法定通貨の信用が毀損され、その価値が相対的に下がるのであればその代わりは「仮想通貨(暗号資産)」ではないかと思います。将来的には国が発行する「デジタル通貨」によって駆逐されてしまうのかもしれないですけれどもね。
現状では私に関していえばパフォーマンスを上げていますのでこれらを組み込んでいます。
投資の方法と組み合わせは自由であり無限である
以上のように、私の投資の方法を組み合わせ方の考え方について書いてみました。考え方というのは時代によって環境によって変わっていく(変わらなくてはいけない)ものですので、私のスタイルも変化していくでしょうが、現状ではこのようなスタイルをとっています。
みなさんの一つの参考となればと思います。
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