ボックス・レクタングル・フラッグについて
ボックス
ボックスの概要
レンジ相場とは、高値を結んだライン(レジスタンスライン・抵抗線)と安値を結んだライン(サポートライン・支持線)との間の中でチャートが動いている相場のことをいい、チャートの7割がレンジ相場であるといわれています。このレンジを上抜けると上昇トレンド、このレンジを下抜けると下降トレンドに移行します。
そして、それらラインが平行でないものを三角保ち合い(シンメトリカルトライアングル(ペナント)、アセトラ、ディセトラ、ウェッジなど)といい、ラインが平行なものをボックス(四角形)といいます。
ボックスは、さらに、それらラインがともに水平なものをレクタングル、水平でないものをフラッグと分けることができます。ここではそれらボックスについて見ていきます。
ボックスの戦略
ボックスの戦略としては、その特性を利用して次の二つ考えられます。
※これはもちろん同じレンジ相場である三角保ち合いにおいてもいえます
【逆張り手法】
ボックス相場ではレジスタンスライン(抵抗線)で跳ね返されて、サポートライン(支持線)で反発するのですから、「抵抗線で売って、支持線で買う」「支持線で買って、抵抗線で売る」のであればその抵抗線と支持線の利幅を得ることができます。これはこのボックスが継続することを前提としてます。
この戦略においては、これらラインを割るとこのボックスが終了したことを意味するわけですから、この手法の前提・根拠が失われます。よって、損切りラインは売ったり買ったりしたラインとは異なる他方のラインを割ったところとなります。
【順張り手法(ブレイクアウト)】
ボックス相場もいつかは終わりを迎え、どちらかのラインを割ります。ラインを割ったということは上昇あるいは下降トレンドに入ったということですので、ラインを割った地点でその同じ方向に買いや売りを入れます。つまり、「抵抗線を越えた直後に買う。あるいは支持線を割った直後に売る。」ということになります。先ほどの手法とは真逆です。これは先ほどと逆でこのボックスが終焉を迎え新たな局面に入ったことを前提としています。
この戦略においては、そのラインを割ってその方向にトレンドが動いたことを前提としていますから、その方向にトレンドが進まなかったらこの手法の前提・根拠が失われます。よって、損切りラインはそのブレイクしたラインに戻ったところとなります。
レクタングル(長方形)
レクタングルの概要
レクタングルとは、高値を結んだライン(レジスタンスライン・抵抗線)と安値を結んだライン(サポートライン・支持線)との間の中でチャートが動いており、かつ、それらのラインが平行であるチャートのことをいいます。
このレクタングルは、直前まで上昇トレンド(下降トレンド)が続いていたが、売り(買い)圧力が強くて高値(安値)を更新するには至らず調整局面に入っている(レンジ相場に入っている)という状態でよく現れるチャート形状です。「売り」と「買い」が拮抗していますが、基本的には上昇トレンド(下降トレンド)が終了していなければ、トレンドは継続しているわけですので、直前のトレンドと同じ方向に抜けることが多いといえます。
逆に市場参加者がここら辺が天井(底値)だと考える人が多くなると逆方向に抜けます。その場合はトレンドが転換したということになります。
なお、気をつけるべきは、それが三尊天井(逆三尊)の変形ではないかということです。三尊天井(逆三尊)の場合は逆向きに抜けますので、念のためラインに跳ね返された3回目の動向には気をつける必要があります。
レクタングルの戦略
【逆張り手法】
逆張り手法としては、「抵抗線で売って、支持線で買う」「支持線で買って、抵抗線で売る」というのが基本となります。
【順張り手法(ブレイクアウト)】
順張り手法としては、上昇トレンドであれば、上図のように抵抗線を抜けたのを確認して「買い」をいれるというのが基本となります。
しかし、既に前回お話ししたとおり、抵抗線を抜けたとしてもそれが「だまし」の場合があり、すぐに抵抗線の下まで戻される可能性もあります。その「だまし」に引っかからないように念のため、一回様子を見て、そのチャートが下がって再び抵抗線で反発した(抵抗線が支持線に変わった)のを確認してから「買い」をいれる(押し目買い)ということも考えられます。また、ブレイクした瞬間に買い逃した人もこの二度目で「買い」をいれることになります。
※もちろん、ブレイクした後一度も下がらずそのまま上昇することもよくあります
※なお、下降ラインの場合はこの逆となります
また、リスクはありますが、抵抗線をブレイクすることを確信している場合は、この支持線に触れたタイミングで何回かに分けて「買う」ことも考えられます。この場合は成功したときの利益も大きいですが、失敗したときのリスクも大きいことになります。分けて買うのは、その時点ではまだブリッシュ・フラッグかどうか分からず下降するリスクがあること、また、急激に上に抜ける可能性があるからです。
【レクタングルの目標利益】
レクタングルの目標利益幅は、レクタングルの幅と同じだけ上方向にあるところが一応の目安となります。その理由は、これは分かりやすいので市場参加者の多くがここら辺で天井だろう(従って、ここから下がっていくだろう)と考えるので、この目安付近で利益を確定させ、チャートが下がっていくからです。
ブリッシュ・フラッグ(Bullish flag、強気フラッグ、上昇フラッグ)
ブリッシュ・フラッグの概要
相場において、ブル (Bull、牡牛(オスのウシ))とは、強気の上昇トレンドのことをいいます。ブルといえばスペインの闘牛が有名ですね。ブルは下から上に角を突き上げるようにして攻撃することから、それをイメージしてこう呼ばれるようになったといわれています。
ブリッシュ・フラッグ(ブルフラッグ)とは、高値を結んだライン(レジスタンスライン・抵抗線)と安値を結んだライン(サポートライン・支持線)との間の中でチャートが動いており、かつ、それらのラインが下降しているチャートのことをいいます。
このブリッシュ・フラッグは、直前まで上昇トレンドが続いていたが、売り圧力が強くて高値を更新するには至らず調整局面に入っている(レンジ相場に入っている)という状態でよく現れるチャート形状です。「売り」と「買い」が拮抗していますが、基本的には上昇トレンドが終了していなければ、トレンドは継続しているわけですので、直前のトレンドと同じ方向に抜けることが多いといえます。その場合は、上昇トレンドの単なる「調整」であり、「押し目」ということになります。
逆に市場参加者がここら辺が天井だと考える人が多くなると逆方向に抜けます。その場合はトレンドが転換したということになります。
なお、気をつけるべきは、それがダブルトップではないかということです。ダブルトップの場合は逆向きに抜けますので、念のためラインに跳ね返された2回目の動向には気をつける必要があります。
細かく言えば、上昇フラッグ(旗)とは、既に述べたペナントと同じく急激に上昇した後(柄の部分)、旗の形をとるものをいい、普通のフラッグと比べレジスタンスラインを抜けた後、急激な上昇を開始することが多いことになります。
ブリッシュ・フラッグの戦略
【順張り手法(ブレイクアウト)】
順張り手法としては、上昇トレンドであれば、上図のように抵抗線を抜けたのを確認して「買い」をいれるというのが基本となります。
しかし、既に前回お話ししたとおり、抵抗線を抜けたとしてもそれが「だまし」の場合があり、すぐに抵抗線の下まで戻される可能性もあります。その「だまし」に引っかからないように念のため、一回様子を見て、そのチャートが下がって再び抵抗線で反発した(抵抗線が支持線に変わった)のを確認してから「買い」をいれる(押し目買い)ということも考えられます。また、ブレイクした瞬間に買い逃した人もこの二度目で「買い」をいれることになります。
※もちろん、ブレイクした後一度も下がらずそのまま上昇することもよくあります
また、リスクはありますが、抵抗線をブレイクすることを確信している場合は、この支持線に触れたタイミングで何回かに分けて「買う」ことも考えられます。この場合は成功したときの利益も大きいですが、失敗したときのリスクも大きいことになります。分けて買うのは、その時点ではまだブリッシュ・フラッグかどうか分からず下降するリスクがあること、また、急激に上に抜ける可能性があるからです。
【ブリッシュ・フラッグの目標利益】
ブリッシュ・フラッグの目標利益幅は、
A:ブリッシュ・フラッグの幅と同じくらい上に抜けたところ
B:ブリッシュ・フラッグが開始したと思われるところの高値
が一応の目安となります。その理由は、これは分かりやすいので市場参加者の多くがここら辺で天井だろう(従って、ここから下がっていくだろう)と考えるので、この目安付近で利益を確定させ、チャートが下がっていくからですが、分かりやすい目安は2通りあるので、市場参加者の多くが強気であればB地点まで目線を持って行き、若干弱気になっていると考えるのならばA地点がとりあえずの目線に考えておくことが合理的と思います。
ベアリッシュ・フラッグ(Bearish flag、弱気フラッグ、下降フラッグ)
ベアリッシュ・フラッグの概要
相場において、ベア(Bear、熊)とは、弱気の下降トレンドのことをいいます。熊は立ち上がって両手の爪を上から下へと振り落とすように攻撃することから、それをイメージしてこう呼ばれるようになったといわれています。
ベアリッシュ・フラッグ(ベアフラッグ)とは、高値を結んだライン(レジスタンスライン・抵抗線)と安値を結んだライン(サポートライン・支持線)との間の中でチャートが動いており、かつ、それらのラインが上昇しているチャートのことをいいます。
このベアリッシュ・フラッグは、直前まで下降トレンドが続いていたが、買い圧力が強くて安値を更新するには至らず調整局面に入っている(レンジ相場に入っている)という状態でよく現れるチャート形状です。「売り」と「買い」が拮抗していますが、基本的には下降トレンドが終了していなければ、トレンドは継続しているわけですので、直前のトレンドと同じ方向に抜けることが多いといえます。その場合は、下降トレンドの単なる「調整」であり、「売り目」ということになります。
逆に市場参加者がここら辺が底値だと考える人が多くなると逆方向に抜けます。その場合はトレンドが転換したということになります。
なお、気をつけるべきは、それがダブルボトムではないかということです。ダブルボトムの場合は逆向きに抜けますので、念のためラインに跳ね返された2回目の動向には気をつける必要があります。
細かく言えば、下降フラッグ(旗)とは、既に述べたペナントと同じく急激に下降した後(柄の部分)、旗の形をとるものをいい、普通のフラッグと比べサポートラインを抜けた後、急激な上昇を開始することが多いことになります。
ベアリッシュ・フラッグの戦略
【順張り手法(ブレイクアウト)】
順張り手法としては、下降トレンドであれば、上図のように支持線を抜けたのを確認して「売り」をいれるというのが基本となります。
しかし、既に前回お話ししたとおり、支持線を抜けたとしてもそれが「だまし」の場合があり、すぐに支持線の上まで戻される可能性もあります。その「だまし」に引っかからないように念のため、一回様子を見て、そのチャートが上がって再び支持線で反発した(支持線が抵抗線に変わった)のを確認してから「売り」をいれる(売り目売り)ということも考えられます。また、ブレイクした瞬間に売り逃した人もこの二度目で「売り」をいれることになります。
※もちろん、ブレイクした後一度も上がらずそのまま下降することもよくあります
また、リスクはありますが、支持線をブレイクすることを確信している場合は、この抵抗線に触れたタイミングで何回かに分けて「売る」ことも考えられます。この場合は成功したときの利益も大きいですが、失敗したときのリスクも大きいことになります。分けて売るのは、その時点ではまだベアリッシュ・フラッグかどうか分からず上昇するリスクがあること、また、急激に下に抜ける可能性があるからです。
【ベアリッシュ・フラッグの目標利益】
ベアリッシュ・フラッグの目標利益幅は、
A:ベアリッシュ・フラッグの幅と同じくらい下に抜けたところ
B:ベアリッシュ・フラッグが開始したと思われるところの安値
が一応の目安となります。その理由は、これは分かりやすいので市場参加者の多くがここら辺で底値だろう(従って、ここから上がっていくだろう)と考えるので、この目安付近で利益を確定させ、チャートが上がっていくからですが、分かりやすい目安は2通りあるので、市場参加者の多くが弱気であればB地点まで目線を持って行き、若干強気になっていると考えるのならばA地点がとりあえずの目線に考えておくことが合理的と思います。
まとめ
【逆張り手法】レンジ継続中
- レンジ継続中は、「支持線で買って、抵抗線で売る」「抵抗線で売って、支持線で買う」
- 損切りラインは、「売っているときは抵抗線、買っているときは支持線」
【順張り手法(ブレイクアウト)】レンジ解消
- レンジを抜けたラインが抵抗線なら「買う」、レンジを抜けたラインが支持線なら「売る」
- 損切りラインは、「レンジを抜けたライン」に設定する
【利益目安】
- 基本的には「レンジの幅」と同じだけ上昇(下降)したところがとりあえずの目安
- 上昇フラッグや下降フラッグの場合は、レンジに入る直前の高値や安値も次の目安候補
テクニカル分析のラインについてのざっくり解説は以上です。
テクニカル分析 ざっくり解説 | ||
---|---|---|
➀チャートパターン(フォーメーション分析) | ||
1 | ライン(サポートライン・レジスタンスライン) | すべての局面 |
2 | ダブルトップとダブルボトム | 天井・底値付近 |
3 | 三尊天井(トリプルトップ)と逆三尊(トリプルボトム) | 天井・底値付近 |
4 | 三角保ち合い(シンメトリカル・アセトラ・ディセトラ・ペナント・ウェッジ) | トレンド相場、レンジ相場 |
5 | ボックス・レクタングル・フラッグ | トレンド相場、レンジ相場 |
6 | ソーサーとカップ&ハンドル、アダムとイヴ | 天井・底値付近 |
7 | もみ合いとだましの売買ポイント | レンジ相場 |
8 | 急騰・急落の売買ポイント | 天井・底値付近 |
②インジケーター(指標) | ||
トレンド系インジケーター(順張り向き) | ||
1 | 移動平均線とグランビルの法則 | トレンドの状態とエントリーポイントの把握 |
2 | ボリンジャーバンド | 逆張りと順張り |
3 | 一目均衡表 | 一目で株価の均衡状態を捉える |
4 | パラボリック | トレンド転換 |
オシレーター系インジケーター(逆張り向き) | ||
1 | RSIとRCI | 売られ過ぎ・買われ過ぎの判断 |
2 | MACDによるゴールデンクロスとデッドクロス | トレンドの方向性 |
3 | 「売られ過ぎ・買われ過ぎ」指標のストキャスティクス | 売られ過ぎ・買われ過ぎの判断 |
4 | CCI | |
5 | DMI/ADX | トレンドの勢いの強さ |
6 | GMMAとATR | ボラティリティを測る |
③その他 | ||
1 | ダウ理論 | |
2 | エリオット波動 | |
3 | リスクリワードレシオ・フィボナッチ |
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