ダブルトップとダブルボトムについて
ダブルトップ(二番天井)
ダブルトップの概略
チャートのトレンド転換のシグナルとなるのが「ダブルトップ(二番天井)」です。
ダブルトップとは、上昇トレンドにおいて、チャートが最高値を更新し天井(と思われるところ)をつけて(上図でいうところの「トップ①」)反落した後、再び反発するものの上昇の力が弱く、最初の高値(「トップ①」)を超えられなかったところで山を作り(「トップ②」)、トップ①とトップ②の谷間のところを通るネックラインと呼ばれる水平線を割り込んでしまったチャートの形をいいます。
今までずっと上昇トレンドで高値を更新してきたところ、上昇から反落した後の再上昇に力が見られないことから、上昇に陰りが見られることを示すサインとなります。これにより、参加者に「これ以上、上がらないのではないか」という思惑が広がり、利益を失う前に利益を確定しようと売りが入ります。よって、トップ②がトップ①を上回っている場合は上昇に陰りを見せているとはいえずダブルトップとはいえません。
この場合、ネックラインを割り込んだ後から上昇トレンドから下降トレンドに変わるので、トレンド転換を知ることができます(上昇トレンドの終了)。
ダブルトップの戦略
また、エントリーポイントとしては、トップ②からの下落がネックラインを割り込んだことを確認した後になります。なぜなら、ネックラインを割り込まなければまだ上昇トレンドのさなかにいるかもしれないからです。
なお、どこまで下がるのかについて「トップ②からネックラインとの間の幅と同じくらいネックラインから下落する」とするのが一応の目安となります。
「だまし」の回避
このようにダブルトップは多くの参加者に意識されているチャートパターンですので、そこを大口投資家に狙われることもあります。
すなわち、参加者の多くがダブルトップの形が形成されるだろうと思って、トップ②の付近で売りに入っているときに大口投資家は逆に買います。すると、大口投資家が一気に大量に買うのでチャートは下がらず高値を更新し、売っていた人は自分の戦術が間違っていたと考え買い戻したり、売りで新規に入っている参加者は損切りやロスカットをうけます。このように値段が急騰した後で、トップ②の付近で買っていた大口投資家は高値で売り抜けます。すると、価格は一気に急落して他の参加者の多くは損をすることになります。
このようにダブルトップのチャートパターンでも一時急騰し(だまし)、一気に急落することがあるので注意が必要です。
このようなダブルトップのだましや、ダブルトップがセオリー通りにいかないことを防ぐためには、ダブルトップだけではなく、他の指標、例えばレジスタンスラインで反発することを確認したりすれば、より信頼性のあるダブルトップとなり、より安心してエントリーできます。
ダブルボトム(二番底)
ダブルボトムの概略
チャートのトレンド転換のシグナルとなるのが「ダブルボトム(二番底)」です。
ダブルボトムとは、下降トレンドにおいて、チャートが最安値を更新し底値(と思われるところ)をつけて(上図でいうところの「ボトム①」)反発した後、再び反落するものの下昇の力が弱く、最初の安値(「ボトム①」)を超えられなかったところで谷を作り(「ボトム②」)、ボトム①とボトム②の谷間のところを通るネックラインと呼ばれる水平線を割り込んでしまったチャートの形をいいます。
今までずっと下降トレンドで安値を更新してきたところ、下落から反発した後の再下落に力が見られないことから、下落に陰りが見られることを示すサインとなります。これにより、参加者に「これ以上、下がらないのではないか」という思惑が広がり、利益を失う前に利益を確定しようと買いが入ります。よって、ボトム②がボトム①を下回っている場合は下落に陰りを見せているとはいえずダブルボトムとはいえません。
この場合、ネックラインを上抜けた後から下降トレンドから上昇トレンドに変わるので、トレンド転換を知ることができます(下降トレンドの終了)。
ダブルボトムの戦略
また、エントリーポイントとしては、ボトム②からの上昇がネックラインを上抜けたことを確認した後になります。なぜなら、ネックラインを上抜けなければまだ下降トレンドのさなかにいるかもしれないからです。
なお、どこまで上がるのかについて「ボトム②からネックラインとの間の幅と同じくらいネックラインから上昇する」とするのが一応の目安となります。
「だまし」の回避
このようにダブルボトムは多くの参加者に意識されているチャートパターンですので、そこを大口投資家に狙われることもあります。
すなわち、参加者の多くがダブルボトムの形が形成されるだろうと思って、ボトム②の付近で買いに入っているときに大口投資家は逆に売ります。すると、大口投資家が一気に大量に売るのでチャートは上がらず安値を更新し、買っていた人は自分の戦術が間違っていたと考え売り戻したり、買いで新規に入っている参加者は損切りやロスカットをうけます。このように値段が急落した後で、ボトム②の付近で売っていた大口投資家は安値で買い抜けます。すると、価格は一気に急騰して他の参加者の多くは損をすることになります。
このようにダブルボトムのチャートパターンでも一時急落し(だまし)、一気に急騰することがあるので注意が必要です。
このようなダブルボトムのだましや、ダブルボトムがセオリー通りにいかないことを防ぐためには、ダブルボトムだけではなく、他の指標、例えばサポートラインで反発することを確認したりすれば、より信頼性のあるダブルボトムとなり、より安心してエントリーできます。
まとめ
ダブルトップもダブルボトムもリバーサル・パターンの代表例です。
リバーサル・パターン(Reversal Pattern)とは、中長期において今までのトレンドが逆転するチャートパターンです。つまり、今まで上昇トレンドなら下降トレンドに変わるサインであり、今まで下降トレンドなら上昇トレンドに変わるサインとなります。
よって、基本的にはそのトレンドの流れにおいてトレンドが変わりそうなところや、天井・底値付近と思われるところにダブルトップやダブルボトムが現れた場合はそのチャートパターンは信頼性が高いということになります。逆に、トレンドの途中でこの形が現れたとしても、以上のようなパターンになる信頼性は低くなりますし、また、仮にそうなってもその値幅も小さくなります。
このチャートパターンの利用方法としては、以下のようなものが考えられます。
- トレンドの転換期をいち早く察知して、トレンドの逆転について行く(順張り)、トレンドの逆転を利用する(逆張り)
- 今までの自分のトレンドの読みを見直す
- このチャートパターンで一定の根拠を持って利益を狙っていく
テクニカル分析のラインについてのざっくり解説は以上です。
テクニカル分析 ざっくり解説 | ||
---|---|---|
➀チャートパターン(フォーメーション分析) | ||
1 | ライン(サポートライン・レジスタンスライン) | すべての局面 |
2 | ダブルトップとダブルボトム | 天井・底値付近 |
3 | 三尊天井(トリプルトップ)と逆三尊(トリプルボトム) | 天井・底値付近 |
4 | 三角保ち合い(シンメトリカル・アセトラ・ディセトラ・ペナント・ウェッジ) | トレンド相場、レンジ相場 |
5 | ボックス・レクタングル・フラッグ | トレンド相場、レンジ相場 |
6 | ソーサーとカップ&ハンドル、アダムとイヴ | 天井・底値付近 |
7 | もみ合いとだましの売買ポイント | レンジ相場 |
8 | 急騰・急落の売買ポイント | 天井・底値付近 |
②インジケーター(指標) | ||
トレンド系インジケーター(順張り向き) | ||
1 | 移動平均線とグランビルの法則 | トレンドの状態とエントリーポイントの把握 |
2 | ボリンジャーバンド | 逆張りと順張り |
3 | 一目均衡表 | 一目で株価の均衡状態を捉える |
4 | パラボリック | トレンド転換 |
オシレーター系インジケーター(逆張り向き) | ||
1 | RSIとRCI | 売られ過ぎ・買われ過ぎの判断 |
2 | MACDによるゴールデンクロスとデッドクロス | トレンドの方向性 |
3 | 「売られ過ぎ・買われ過ぎ」指標のストキャスティクス | 売られ過ぎ・買われ過ぎの判断 |
4 | CCI | |
5 | DMI/ADX | トレンドの勢いの強さ |
6 | GMMAとATR | ボラティリティを測る |
③その他 | ||
1 | ダウ理論 | |
2 | エリオット波動 | |
3 | リスクリワードレシオ・フィボナッチ |
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