ブログのSBIネオモバイル証券の紹介が的を射ていない
SBIネオモバイル証券を紹介するブログはたくさんあるのですけど、どれも的を射ていないように感じます。ブログの紹介で基本的なパターンとしては、「いろいろとメリットがあり、少額から投資をはじめられて初心者には最適!(私は使いませんけど)初心者ならおすすめ!」といった論調がほとんどです。
確かに、メリットはそれなりに多いのだけれど、それと同じく制限も多いので中上級者は使いづらい面があり、また、そもそもサービス自体が初心者向けにフォーカスを当てているのですから、それはその通りで正直でよいのですけど、私はこのサービスに別の価値を見いだしています。
そして、それは初心者だけでなく、中上級者にも価値があるものだと考えています。その点について書きたいと思います。
基本的な情報
これはネオモバイル証券で口座を開設して少額から株式投資ができるサービスです。ネット証券のSBI証券とTポイントのCCCマーケティングがはじめたものです。
特徴としては、少額投資ができるという点です。普通、株というのは原則100単位でしか購入できないので、株価が3,500円の株を買おうとしたら、最低でも35万円(100株)が必要です。少額とは株を1株から買うことができ、上記の例でいえば3,500円(1株)から株主になれます。
メリット
メリットはもちろんお金がなくても少額から投資できることに尽きます。主なメリットを箇条書きすると以下の通りです。
- まとまったお金はないけど投資をしたい。いきなり数十万というのは厳しい。でも、ネオモバなら数百円、数千円から投資ができる(少額投資)
- 株の自動定期買付を100円から設定することが可能
- 手数料が破格(約定代金合計50万円までは月額200円(税抜)の手数料で取引できる)
- 1株からIPOに投資できる「ひとかぶIPO」
- 投資に貯めているTポイントが使える
- スマホでお手軽に投資ができる
- WealthNavi for ネオモバの利用で「ウェルスナビ」を投資額1万円から始められる
- 少額から始められるので、株初心者のデモトレードとしても最適
デメリット
メリットに対して、デメリットは短期取引について絶望的です。
- 少額注文(単元未満株・S株注文)だと指値ができず成行注文のみ
- しかも成行注文だとしてもリアルタイム取引ではなく時差が大きすぎる
- 0:00~10:30に注文なら、当日の後場始値で購入・売却
10:30~21:30に注文なら、翌営業日の前場始値で購入・売却
21:30~0:00に注文なら、翌営業日の後場始値で購入・売却 - 何もしなくても毎月200円(税抜)の利用料金がかかる
- 購入できるのは「個別株」「国内上場ETF」「REIT(リート)」のみ
- iDeCoに使用できるが、NISAには対応していない
- 検索機能が脆弱、スマホでお手軽にというが逆にPCでろくに使えない
中上級者はこれを見た瞬間に「これはないな」と思うでしょう。「これは超初心者向けだな」と。
この条件で(この縛りで)株売買をするくらいなら、普通の証券で買った方がよいと考えるのが普通です。実際、この縛りで取引するメリットはほぼないです。また、これは仕方がないことなんですけど、少額で投資するということは少額でしか儲けられないということです。単純に100株と比べ1株なら得られる利益は1/100です。雀の涙どころではないです。全然、儲けられません。
ネオモバは短期取引用ではない
日本の高配当株式ETFの問題
上記の記事でも書きましたが、私は、「長期投資を基礎とするべきだけれども、同時に配当利益にも気を回していきたい。それによって、今の生活に投資の恩恵を反映させるべきだ。」と考えています。従って、高配当株式、あるいは、高配当株式ETFにも積極的に投資すべきだと考えていますが、日本の高配当株式ETFにはろくなものがないのが現状です。投資する対象がない。
米国株でいえば、議論はあるにせよ、HDV、VYM、SPYD、ちょっと違いますがVIGなど定番があります。それらにコツコツと積み立てるだけでいい。しかし、日本にはそういうのがない。日本の高配当株式ETFには持続的に、減配せず、高配当を続ける銘柄(できれば譲渡益も狙えるような成長株もあればベスト)のみで構成されているETFがないのです。しかも、手数料も非常に高いですし。
ネオモバで自作の日本高配当株式ETFを作ろう
「なければ作ればいい」というのは日本のものづくりの原点ですが、日本株の高配当株式ETFがなければ自分で作ればよいのです。
作り方は簡単で、「まず、お好きな個別銘柄を10~50個選ぶ。そして、それをネオモバで定期買い付けすればよい。」となります。あとはその自作ETFに毎月いくら積み立てるか考えるだけです。しかも毎月50万円以下なら手数料は無料です。基本、スマホでちまちま売ったり買ったりしなくてよくて、始めに設定したらあとは基本は放置です。
ETFもどきで、ドルコスト平均法を使うわけですから、ネオモバの最大のデメリットである成行注文のみや成行の時差がひどいことはたいした問題ではありません。相場の上げ下げは誰にも予測できないのでひたすら定額で買い続ける、いつ買うか考えないのがドルコスト平均法なのですから。
そうするとデメリットが消えて、メリットのみが残ります。また、自作ですから「信託報酬」は無料です。あとは自動的に積み立て、配当が増えていくのを待つだけです。購入手数料と信託手数料がゼロ円ですので他のETFと比べてその部分はかなり有利です。
こう考えるとネオモバの最大の用途は自作ETFを作ること以外に考えられず、それは初心者や中上級者を問わないといえます。少なくとも決して短期取引用ではないと思います。
最大の問題はどの個別株を選ぶですが、長くなりますのでそれは別の機会に書きたいと思います。
コメント