「ダウの(負け)犬」戦略とは
「ダウの犬」戦略とは、アメリカで有名な投資方法で、以下のシンプルな方法で投資をするだけで長期的な目線でNYダウのパフォーマンスを上回るとされるものです。特に配当狙いの高配当株式として意義を持ちます。
- NYダウ採用銘柄(30銘柄)から何も考えずに配当利回りの高い順から上位10銘柄を抜き出す。
- 投資しようと考えている資金をその選び出したその10銘柄に均等に(全く同じ金額(割合)で)購入する
- 配当金は再投資する
- 1年後、初めの作業をもう一度行い、また上位10銘柄を選び出す。
- 初めの10銘柄のうち上位10位から外れたものは売却し、代わりに新たに上位10位に入った銘柄を組み入れる。
- 再度、新たな10銘柄を均等になるように調整する(リバランス)
- 配当金は再投資する。
- これを毎年同じように繰り返す
銘柄選びのセンスや判断を必要とせず、機械的に購入していくので、誰にでも簡単にでき再現可能性が高く、単純ながらも非常に興味深い投資方法です。なお、NYダウの犬となって投資していくので「ダウの犬」と呼ばれていますが、NYダウの配当利回り上位10銘柄は大御所の銘柄ばかりですが成熟しきっており、また高配当株式ということは成長性が見込めないということですから、ダウの中でも負け犬に乗っていく手法だという意味で「ダウの負け犬」戦略とも呼ばれています。
日本版「ダウの犬」を作る目的
本家「ダウの犬」を作る意義
この本家「ダウの犬」を個人が作る必要性はあるのかというと、私はないと思います。なぜならば、日本の方にとってアメリカ株式というのは敷居が高いですし、円をドルに換える手間、為替リスクがあり、あと、税金の処理が面倒くさいです。それに加えて、均等に買う方法といっても手続が手間です。アイディアとして「(普通の)NISA口座」を使って非課税枠で投資するというのもいわれますが、枠に制限のあるNISAをこれに使用する価値がどこまであるのか不明です。
そして、最大の理由が、アメリカ株式には非常に優れたETFがあり、パフォーマンスが高く、手数料が安いものがゴロゴロしています。それなのに、わざわざこのような手間を掛ける意義があるのかというと私は非常に懐疑的です。手間を掛けても利益が伸びれば行う価値はあるのですが、これら優れたETFよりもよい成績を残せるほどよい投資方法にはとても思えないのです。
日本版「ダウの犬」を作る意義
逆に、日本版「ダウの犬」を作る意義はあると思います。その理由としては、日本のETFにはアメリカのような「定番」といってよい優れたETFがないことと、私たちはアメリカ株だけではなく日本株にも投資する意義は非常に大きいと考えているからです。
そして、本家「ダウの犬」より作りやすい環境にあるというのがそれを補強します。
日本版「ダウの犬」の作り方
日本版「ダウの犬」の作り方は非常に簡単です。
まず、日本株で「ダウ」の代わりを何にするかが問題となりますが、ここはオーソドックスに「TOPIX大型株 (Core30)」を選んでみましょう。
ここから上位10位を選べばいいわけです。
次に、この上位10位を普通の証券会社で均等に購入しようとすると、どの株も株価が異なりますのできっちり買えません。若干のブレがでます。それに加え、作り方にもよりますが、最小単位が100株ですのでこの日本版「ダウの犬」を作ろうとすると250万円ほどかかってしまいます。気楽に買える値段ではないですね。
そこで、その問題を解消するために「ネオモバイル証券」を使用します。
「金額指定」で均等に購入でき、かつ、値段もかなりの少額から買えます。
この方法ならお手軽に日本版「ダウの犬」を作ることができます。
日本版「ダウの犬」のメリット・デメリット
メリット
- 日本にある高配当株式ETFよりパフォーマンスが望める(?)
- 自分で作るため信託報酬料が全くかからない
- 配当利回りはかなり高い(配当利回りの上位から選んでいるのだから当然)
- ネオモバイル証券の単元未満株の購入手数料はかなり安い
- 1年間はほったらかしにできる(株価で一喜一憂悩む必要がない)
デメリット
- 1年ごととはいえ手間がかかる
- 上位入替えの際、上位10位から外れたものは売却することになるが、売却益には税金約20%がかかる(スイッチングコスト)
ネオモバイル証券のサービスが開始されていなければ、全くおすすめできませんでしたが、これを使えば、楽に投資できるという意味で、日本版「ダウの犬」を作ってみる価値はあるのではないかと思います。
ただ、どの投資にもいえますが、これがパフォーマンスのよい結果を生むかどうかは誰にも分かりません。それでも何かしらの戦略を自らが立てて投資をしなければならないという中、考え方としては興味深いのではないかと思います。個人的には、日本株の高配当株式ETFよりは、長期的には配当はより多く、よいパフォーマンスを生むのではないかと考えますが、どうでしょうか。
一つの参考となればと考えております。
コメント